お知らせ
【SNBA】回想#2

遅い更新ですが、去年行われたサロン・デ・ボザール2018の記録をまた少し書かせてください。
搬入当日、私たちは午前中から会場となるルーブル美術館の地下、カルーゼル・デュ・ルーブルに向かいました。
注目作家とはいえ、自分で動かないと始まらない
会場は衝立も設営できていませんでした。まだ午前中ですから、私たちも「日本じゃないし、仕方ないよね」と思っていました。とりあえず受付で会期中必要な入場パスと作品集をもらい、作品を飾る壁の位置を確認。会場の入り口からまっすぐ歩いて突き当たりにある大きな壁面を与えられました。
↑動画にあるのは、作家とそのスタッフに渡される入館ネームタグとカタログです。(音無し)
作品を梱包した荷物は会場の地下に届いていると聞いたのですが、会場には運ばれてきません。作品を携えた他の作家さんたちが搬入するのを横目で見ながら(ちょっぽさんの作品はいつ会場に届くのだろう)と気になって仕方がありませんでした。
前回記事で登場したコーディネーターHさん(小さな巨人)に確認したところ、本格的な設営は午後から行うとのこと。
荷物の中身も心配だし、自分たちで会場に持って上がろうということに。
通訳のエステールさん、コーディネーターのHさん、今回日本から記録係として渡仏してもらったJちゃん、荷物の海外輸送をお願いしたHubnetのAさんと若い現地スタッフを入れて総勢7人で荷物のある場所へ移動しました。
一旦荷物用エレベータで上の会場に運んだものの、梱包が厳重かつ大きすぎて会場内では荷ほどきできないと判断し、またまたエレベータで下がり、がらんとした空室へ運び入れました。 7人がかりで大きな梱包を解いていき、作品と再会。
傷一つありません!が、荷解きに時間がかかって疲れたこともあり、一旦ブレイクすることに。
軽食を頼んだけれど…
ランチはルーブル美術館の敷地内にある、カフェ・マルリーへ。
朝食をしっかり食べてきたこともあり、軽めのものということで、ハンバーガーやサンドイッチをそれぞれ注文しました。
が、Jちゃんが選んだサンドイッチのお皿が運ばれてきたものに、一同目が点に。
「ポテトチップスは頼んでない…」
付け合わせにしては度が過ぎてる量で、サンドウィッチの上に山ほど乗っていました。結局Jちゃんは最後まで食べきれず、ポテトは途中でリタイア。(サンドウィッチだけは完食)
私が注文したハンバーガーは食べきれるサイズでしたが、バンズの美味しそうな見た目と歯ごたえのギャップに目を白黒させてしまいました。(お察しください)
で、ハンバーガー食べるのに、お通しのようにおまけでつくバゲットをどうしろと(苦笑)
“関西で定食あるある”の「チャーハンに白ご飯がついてくる」感じでしょうか。 そう考えると親近感を覚えます。
ちょっぽさんもハンバーガーを食べていましたが「お肉に歯ごたえがあっておいしいよ」と問題なく完食。パリで暮らしても問題なさそう。
予想に反した現場
軽食(というか重食)を食べた後、私たちは会場に戻りました。
いつでも掲げてもらえるようにと、ちょっぽさんの割り当てられた壁に作品を並べて待っていたのですが、待てど暮らせど設営スタッフはちょっぽさんの作品を飾り付ける気配はありません。(設営はスタッフにお任せしますってお願いしていたのになぁ)
ぼんやりと考え始めていた頃、元来働き者のちょっぽさんがガサガサと何かをカバンから取り出しました。
「どこでもメジャー♪」←ドラ●も〜ん!
壁を見て気になることがあったようで、壁の長さをマイ・メジャーで測り始めました。
「あれ?思っていた以上に長さがある…」
「あれ?壁の高さが聞いていたより低い」
プラン表は事前に聞いていた壁サイズで高さや間隔の幅を決めていましたが、全てご破算。
現場で改めて計算をし直すことに。
(焦り始めたチームちょっぽ)
そこに、コーディネーターのHさんが私たちの作業を見かねて「お手伝いします」と、設営スタッフから借りた脚立と釘、金槌を手に颯爽と登場。
「昔、こういう仕事もしてたので」と言うなり、さっと脚立に上り、釘をトントン打ち込み出しました。Hさんのおかげで作品を掲げることができました。
翌日には照明スタッフと監督がやってきた時も私たちの要望がうまく伝わるように専門用語を駆使しつつ、照明監督と交渉してくださいました。
そうしたことがきっかけで、チームちょっぽ内ではHさんのことを敬愛の念を込めて「小さな巨人」と呼ぶようになりました。 (本人には内緒ですが)
てんやわんやした現場の様子を文章や静止画像だけで伝えるのは、とても難しい!
そこで、搬入から会期前夜までの間に奮闘する私たちの記録映像をまとめました。
是非ご覧ください。(音声・音楽が入っています)
いかがでしたでしょうか。
色々ありましたが、これらも楽しい思い出の一つです。
皆様のおかげで作品を展示することができ、後はサロン展初日を迎えるだけとなりました。
この続きは次回に…。
【SNBA】回想#1

昨年12月に行われたフランス国民美術協会主催の「サロンデボサール2018」に注目作家として主人の作品を出展しました。今回、その期間にあったパリでの出来事などを綴っていこうと思います。
国内で作品を準備し輸送までを行った後、私たちは11月30日にパリへ飛びました。無事作品が現地に届いているか心配だったこともありますし、体調を整えておきたかったためです。
12月1日パリに到着。天候は曇りでした。
ホテルに到着早々、「翌日はデモがあるので、終日ホテル内で過ごして欲しい」とホテルスタッフからお願いされました。
パリに到着した日は例年であれば荷物を片付けて早々に休むのですが「とにかく明日は出かけられないのなら今日のうち街に出かけよう」ということに。
二人ともじっとしている性分ではないので、着替えもそこそこに街へ向かいました。
デモの前日で街に緊張感があるかと思いきや、クリスマスシーズンということもあり、イルミネーションは美しく輝いていました。
抗議行動の激しさに驚く
皆様ご存知のようにフランスでの抗議行動は11月17日から毎週土曜日に行われていました。
最初は燃料価格の高騰に不満のある人たちの抗議行動でしたが、3回目になる12月1日にはこの運動がフランス全土に広がり生活費全般の高騰への怒りを示すものとなり、規模も拡大していきました。
(規模は縮小したものの、現在も毎週土曜に行われているようです)
デモが始まって以降、パリでは治安部隊員を含む大勢の人たちが負傷し、過激な抗議行動をめぐって死者がでる事態となりました。
12月2日にはマクロン大統領がパリ市内を視察し、破壊された窓や燃やされた車の残骸を目にされたとのニュースを、ホテルのテレビで観ていました。
パリに行くまでは「デモ活動とはプラカード持って街を歩きながら抗議するもの」というイメージしかなかった私たちでしたが、パリ在住の知人から聞くと国民性の違いだけでなく、想像を超えた生活問題がありました。
「街を破壊するなんて、そんな人たちは捕まって当たり前やん」と思っていましたが、そこに住んでいない私たちが決めつけてはいけないのだと感じました。
デモの翌日は…
日曜日は静かな朝を迎えました。
本当に土曜日しかデモがないことに不思議な思いもありましたが、街に出られる喜びに勝るものはありません。
タクシーで百貨店を回り、毎年恒例のクリスマスのデコレーションをチェックしてきました。
そして明日は現地のコーディネーターと打ち合わせです。
小さな巨人との再会
月曜日は曇り。現地コーディネーターであるHさんはフランス在住歴10年。ピアニストで日本人のご主人とお子さんの三人暮らしをしておられます。
今回2回目の担当ということで懐かしい出会いとなりました。小柄でしっかり者の彼女は大変気さくでフランス語も堪能な方なので、ちょっぽさんも私も彼女がいれば一安心です。
Hさんにはサロン展の準備から搬出までの間、お世話になります。
そして実際に大活躍される事で「小さな巨人」というニックネームがつけられるのですが、そのエピソードはまた次回に。
【SNBA】無事に展示作品が仕上がりました

11月5日(月)午前11時 東京の両国に集合したチームちょっぽの面々。
大型の写真フレームパネルを製作していただいたのが、この両国にある株式会社フレームマンさん。
毎度おなじみのマスクと手袋。今日はメンバー全員がそれぞれ持参していました。いつも誰かは忘れてくるのに(笑)
夫・ちょっぽさんもマスクと手袋をはめて、パネルになった作品を眺めていました。
愛おしそうに。
こんなに綺麗に仕上がっていても、展示するまでにどこかで傷つくんやろなぁ…というのがちょっぽさんをはじめ、メンバー全員の予想。
何と言ってもパリまでの長い道のりの間、繊細なパネルの表面が傷ひとつなく届けられることは奇跡に近いこと。それくらいの気持ちも持っていないと、開梱した時ショックが大きいですからね。
そんな懸念を吹き飛ばすかのように「なんなら私が荷物と一緒に包んでもらって♪」と言って笑わせてくれたフォトアート・フジのIさんですが、最後まで作品の仕上がりを誰よりも心配して東京まで来てくれました。ありがとうございました。
フランスに作品を送る際、いつも協会指定の内容を作品裏に直接書いておしまいにしていたのですが、今回は点数も多いことから、A3サイズのIDステッカーを作りました。
私たち一行は、それを作品裏に貼るのが今日最大のミッションでした。
でも…
最初、自分たちで貼ろうと作業を始めたのですが、まず剥離紙を剥がすところからもたついてしまい、見るに見かねたフレームマンのスタッフさんたちが貼ってくださることになりました(汗)
手際の良さといったら!
「早いし、綺麗し、さすがプロやな~」と、感心しきりの夫。
さらにパネルサイズのダンボール箱の表面にも取り扱い注意喚起とIDステッカーを貼っていただきました。
株式会社フレームマンの奈須田社長、秋山部長、そして工房のスタッフの皆さん、本当にお世話になりました。おかげさまで、どこに出しても恥ずかしくない作品パネルに仕上がりました。
パリにお嫁に出す心境ですが、もらってくれる御曹司がいらしたら、大事に梱包して送り出す覚悟はできています!中身はちょっと傷ついてるかもだけど(笑)
↑パネル漫談はここまで
無事にパリに届きますように!
(後日談)
配置寸法をはじき出したチームメンバーのN女史は東京でパネルの現物を見た時(壁がぎゅうぎゅう詰めになりそう…)と、一抹の不安を感じたそうです。
でも大阪市立美術館の二科展会場で、さらに大きな額同士の間隔がより狭かったのを見て(これでこれくらいならSNBAも大丈夫)と確信したそうです。←確信してなかったんかい(汗)
作品鑑賞しつつも壁のピッチを数えて確認していたとは…さすがN女史!!プロ意識が高い。
さてSNBA開催まで1ヶ月を切りました。次の更新はパリからとなります。
少し早めに現地パリの状況をお送りしたいと思います。
知り合いの方もちらほらと、今回はパリまでお越しいただけるようで、大変嬉しく思います。13時間のフライトで大変ですが、ぜひ冬のパリを楽しみついでにいらしてください。
パネル製作をお願いした株式会社フレームマンさんのHPはこちら
http://frameman.co.jp/
<SNBA会期スケジュール情報>
会期:2018年12月13日(木)〜16日(日)
12月13日(木)午前10時〜午後10時
12月14日(金)正午〜午後7時
12月15日(土)午前10時〜午後10時
12月16日(日)午前10時〜午後6時
オープニングパーティー 12月13日(木)午後6時
授賞式 12月15日(
土)午後6時
コンサート 12月15日(土)午後8時
入場無料
会場:ルーヴル美術館地下 カルーゼル・デュ・ルーブル
SNBA公式サイト
http://www.salondesbeauxarts.com/
【SNBA】東奔西走、時々災難。

10月の中旬で、すっかり初回印刷分のフライヤーを国内で配布し尽くしました。
フランス語で書かれたものだから、日本語訳も添えて渡せるだけ渡してきましたが、作品の趣旨や技法など、これで理解していただけたらいいのだけど…。
でも受け取った方々の反応は上々だったから、気を良くして500部も増刷しました(笑)こちらはSNBAサロン展開催中、来場された皆様にお配りする予定です。
先日は東京にガラス工芸で有名なインゲヤード・ローマンの展覧会と、パリの写実画家、テュエリー・デュバル氏の個展を観に行ってきました。
クラフトと絵画、いずれも巧みな技を凝らした作品ばかりで、眼福のひとときを過ごすことができました。
その後、イデミ・スギノのお店で見目麗しい洋菓子をいただき、東京での芸術の秋を満喫した翌日の朝、アクシデントがありました。
不意に、私の腰に痛みが…。
あ“!!!
東京での他の予定をキャンセルし、妙に背筋を伸ばした姿勢を保ったまま、ロボットのようによろよろと家路に着き、ベッドに直行。
夫であるちょっぽさんが調達してくれた痛み止め入り湿布を貼って何とか落ちつきました。
初めてじゃないんです。ギックリ腰。
掴まり立ちを始めたばかりの子供のように移動して、曲げると痛い腰をかばいながらできるだけ安静にしていた数日間、夫は私の代わりに家事や買い物までかいがいしく動いてくれました。(本当に申し訳ない!)
また夫の買い物を手助けしていただいたお店の皆さんに、心から感謝します。
今はようやく少しは動けるようになったので、こうして苦い思い出も綴れるようになりましたが、あの時は本当に痛かったです(涙)
そんな腰爆弾を抱えて11月にはまた東京に出向いて、SNBAサロン展に出展する写真パネル加工の仕上がり具合も確認と発送準備を行います。
出展作品を見ることができる最後のチャンスなので、私たちだけでなく、SNBAサロン展に関わるチームちょっぽのメンバーが全員集合し、厳しく確認します。
海外搬入時に作品が破損することは可能性としてゼロではありませんが、送るまではせめて完璧にしておきたいという夫。
仕上りがOKなら、そこからは運搬業者に引き継ぎパリへ搬送しますが、どうか、無事に届きますように…。
そして私は、パリでぎっくり腰が再発しないように注意しなくちゃ(汗)
SNBAサロン展が行われるのはパリ・ルーブル美術館の地下にあるホールです。
地上は歴史的造形美術品の宝庫であるルーブル美術館、地下には現在活動している作家たちの力作が揃います。
また、今年は日仏交流160周年ということで、「ジャポニズム2018:響きあう魂」と題して大規模な複合型文化芸術イベントが開催されていて、SNBAサロン展もこのイベントに参加しています。
冬のパリを訪れて、日本とフランスの文化芸術を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ジャポニズム2018
【SNBA】台風一過

9月4日に襲来した大型台風21号により、被害に遭われた皆さまにはお見舞い申し上げます。
私たちが住む界隈でも樹木やフェンスが倒れていたり、瓦礫が散乱していたりするのを目にしました。スーパーに買い出しに行っても食材の入荷が遅れ、普段は彩り豊かだった陳列台に張り紙だけが置かれていました。
豊かな暮らしが、台風が通り過ぎるだけで一変するのだと痛感しました。
でも、こんなことが起こっても時間は止まらずに過ぎていきます。
普段の生活リズムを取り戻すべく、SNBA出展のために私たちは前進あるのみです!
台風前日、「チームちょっぽ」は梅田にあるフォトアート・フジに集合していました。
この日はクリスタル・ペーパーで焼いてもらった実寸大の作品をチェックするためです。1枚1枚丁寧に薄葉紙に包装されたものを解き、巻かれていた作品を慎重に開いていきます。
ソロソロ………ペラ
Σ(゚∀゚ノ)ノキャー
ソロソロ……………ペラ
・:*:・:オォオォ(*´∀`人):・:*:・
ソロソロ………………………ペラ
お願いだから、誰か言葉を発してよ(笑)
大きさと質感に圧倒され、言葉が出ませんでした。
クリスタル・ペーパーのツヤと発色が、個々の作品をさらに引き立たせてくれています。
これほど大きなサイズで焼くのは初めてだったこともあり、皆の心に不安がなかったといえば嘘になります。
でも作品の色と繊細なフォルムが想像以上に綺麗に現れたことで、ペーパー選びも作品のクオリティに大きく影響するのだと実感しました。
一同が安堵している中、撮影者であるちょっぽさんだけが冷静に「ここに指紋らしき汚れがあるよ」と指摘。
「輸送途中や設置最中にも汚れてしまうかもしれないけど、せめて輸送する前までは綺麗な状態を保ちたい」とのこと。
まるで大事な箱入り娘をお嫁に出そうとする父親の心境のようです。
(たしかに箱詰めにするけどw)
ゴミや傷がないか、色の出具合もこれで良いかをしっかり確認し合い、フォトアート・フジでのミッションを終えました。
その後、場所を移してフライヤーの最終打ち合わせ。
基本的にフランスで配るものなので、内容はフランス語しか書かれていませんが、説明するのが難しい撮影方法は挿絵で理解してもらう作戦です。
絵解きなら、万国共通だし説明書きを読まなくてもわかってもらえるかなと。
順調に印刷ができたら、9月中旬から国内で1回目のフライヤーを配布する予定にしています。
私たちにばったり出くわしたら、「例のアレ持ってる?」と聞いてみてください。
たぶん、「例の」と言葉を聞く前から手渡す準備はしてると思いますけどね(笑)
2回目の配布は、本番のパリで。
ルーブル美術館の地下で開催されるSNBA(ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール /Société nationale des beaux-artsの略)にて、大きなサイズの作品を6点、10mの壁を使って展示させていただきます。
フライヤーはその付近で配布しております。
12月13日から16日まで、入場は無料です。
歴史ある作品を鑑賞されるご予定のある方、海外の現代美術作家たちの作品も素敵なものがたくさん展示してありますので、ぜひお立ち寄りください。
ちなみにSNBAとはこんなところです。